検索エンジン進化論

いま、『次世代ウェブ グーグルの次のモデル (光文社新書)』という本を読んでいるが、その中に次のような一文がある。

2004年から2005年にかけては、前章で述べたように、インターネット利用の主な動線ポータルサイトから検索エンジンへと大転回を起こし、検索エンジンがインターネットの巨大なプラットフォームとなった。
(P.159)

読んだときは、ふぅんなるほど程度にしか思わなかった。
でも、その後たまたま見ていたテレビのニュース番組で、そのニュース(世界陸上大阪大会のボランティアの人数が大幅に足りていないというニュースだった)に関係するWebサイトの紹介が、URLだけでなく、四角の枠の中に「世界陸上大阪」という文字があってその横に検索ボタンが付いているものまでがテロップ表示されているのを見て、そうかそういうことか!とかなりピンときた。
最近のテレビCMの多くで、商品や企業のWebサイトを知らせるために用いられているあの手法だ。(ニュース番組でもこの手法を使うようになっていたことにまず驚いた。)
つまり、一昔前のようにポータルサイトから階層化されたカテゴリを辿ってWebサイトを開いたり、ブラウザのアドレスバーにURLを入力してサイトを開いたりするのではなく、そんな面倒なことはすっとばして、検索エンジンに適当な文字列を入力してダイレクトに自分の見たいWebサイトにたどり着くことがかなり一般化した、ということだ。そしてその前提として、そういう利用の仕方に耐え得る(というか適切なレスポンスを返し得る)レベルにまで検索エンジンが進化した、ということでもある。
ということに、おそらく前掲の本を読んだおかげも多分にあって、僕は今日やっと(本質的に)気付きました。
華やかなTVCMの裏で、CM制作の担当者が適切な検索キーワードを頭を絞って考え出し、常に検索結果の上位から落ちないように日夜努力している姿を勝手に想像すると、また違った視点でCMを見ることができて面白いです。

次世代ウェブ  グーグルの次のモデル (光文社新書)

次世代ウェブ グーグルの次のモデル (光文社新書)