オリオン座

いまさっき外に出て、暗闇の中で立ち小便をしているときに夜空を見上げたら、星がとてもきれいに見えた。
特にオリオン座を形作る星々がでかでかと輝いていて、三ツ星の下の方に位置するM42オリオン座大星雲のもやっとした輝きもよく見える。
ずっとずっと昔、まだ「宇宙」とか「星」とかいう物を人間が知らないころ、その頃の地上に住む人々は夜になると頭上で輝く無数の光をいったい何だと見なしていたのだろうか。人が死ぬと、空に昇って光り輝く粒になる、という考えが出てきてもおかしくない気もする。そうやって人間の想像力というものは発達してきたのかもしれない。
小学生のとき、親にねだって天体望遠鏡を買ってもらい、極寒の冬の夜でも服を何枚も重ね着して外に出て、夜空の星々を観察していた。たしかハレーすい星も見たんだったと思う。
月面のクレーターのでこぼこや、土星の輪っかや、すばるの青白い輝きや、太陽の黒点など、天体が与えてくれる無料でリアルで神秘の画を、長い時間一人でずっと見続けていた。
天体望遠鏡も、あの頃よりはずっと進化しているだろうから、今ならもっと高倍率で鮮明に星々の観察ができるんじゃないだろうか。
農業で利益を出して何か買えるようになったら、天体望遠鏡を今度は自分で買って、もう一度夜空の観察をしてみるのもいいかもしれないと思った。