女のいない男たち
村上春樹 著「女のいない男たち」を読んだ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/04/18
- メディア: 単行本
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たとえば”フルーツキャンディー”というパッケージの中の6種の味の飴玉のように、6編の物語それぞれに独特な味わいがあって楽しめたけれど、特に気に入ったのは「シェエラザード」と「木野」かなと思う。
「シェエラザード」は、読み進んでいるときに本当に自分もドキドキした。そういう意味でとても魅力的な話しだった。終わりの辺りで、『誰もが人生の中で、一度はそういう出鱈目な時期を通過するのかもしれない。(中略)ねえ、あなたにはそういうことってあった?』という問いかけがあるが、僕にもそういうことはあった。とても人に話せるようなことではないけれど。
「木野」は、読んでいて少し懐かしい感じがした。小説の世界観とか文体とかの中に、昔の村上春樹の短編小説に近いにおいを感じたからかもしれない。物語の半分か、3分の2くらいまではとても好きなんだけど、終わりがどうも消化不良気味で、自分の中の納得のいくところにまだ落ち着いていない。気に入った味の飴玉を途中でふいに呑み込んで、喉に詰まらせてしまったみたいに。
短編小説のいいところは、自分の好きなときに2回でも3回でもわりと気楽に読み返せることだ。
次に読む本は(いよいよ)「1Q84 BOOK 3」と決めているが、それを読み終えたあとに、またこの短編集を読み返してみたいと思っている。