民生@市民球場

奥田民生広島市民球場「ひとり股旅スペシャル」ライブに行ってきた。
心配だった天気も、昨日書いたてるてるぼうずがきいたのかどうか、Yahooの天気予報を見事にうらぎって絶好の球場ライブ日和だった。気温もこの時期にしては暖かく、民生さんにとっても関係者にとっても僕らにとっても、何よりのお祝い=プレゼントだったと思う。てるてるぼうず君、どうもありがとう!
開演時間のちょっと前に球場の中に入ったら、外野自由席もみごとにびっちり埋まってて、しょうがないので席と席のあいだのコンクリの階段に座った。グラウンドの周りに一定間隔でスピーカーが並べてあって、セカンドベースあたりにマイクやらギターやらがいろいろ立ててあるステージがぽつんとあった。
開演時間の4時を少しすぎて民生さん登場! センターの通路あたりから出てきた民生さんが拍手で渦巻く球場の中をひとりすたすたと芝生の上を歩いてステージに向かうさまはかなり印象的だった。まさしく、広島の音楽の歴史に新たな道を開いた、って感じだ。
一曲目からけっこうスロウな曲で始まった(何の曲だったかは忘れたけど)。それからもアルバムの中でけっこう地味な方の曲、だけどギター一本で歌うにはふさわしい(と僕は思う)曲が続いていく。民生さんは終始マイペースで進めていく。
なるほど、これが「ひとり股旅」のスタイルか、と思った。でも、これじゃ観客は盛り上がらないだろうな、、とも思う。純粋な民生ファンだけならそれでも十分OKなんだが、今日はきっと「広島出身の有名なアーティストが市民球場で初めてライブをやるらしい」てことでそんなに曲は知らないけれど来てみた、って人もけっこういるはずだ。そんな人たちのテンションがしだいしだいに下がっていってるのを(もちろん聞いて回ったわけじゃないけど)なんとなく肌でヒリヒリと感じる。最初は僕も民生さんの曲に意識が集中していて「あ〜〜いい曲だな〜〜」と悦に浸っていたが、しだいにそのいわば「なんか重い空気」に気を取られるようになって、「うぅ..こ、これでいいのか?..うぅ..」と、なんかちょっとつらい気持ちになってくる。
ギター一本のスタイルじゃなくってバンドでやった方がよかったんじゃないか、とも思ったが、いや民生さんが唯一人で市民球場の真ん中に立って歌うことこそ意味があるのだ、とも思う(というか自分に言い聞かせる)。
ライブは一回オモテ(前半)と一回ウラ(後半)に分かれていて、一回ウラになったらじゃんじゃん賑やかな曲をやるんだろうな、と思っていたら、前半とあんまり雰囲気が変わらないじゃないか。。 途中からMCの間に「早よ歌え!」とかヤジをとばすおっさんも出てきて、民生さんも「こんなムードでやりたくないですねえ(半笑い)」とか「こんなところで何やってんだろって思うんですよ(半笑い)」なんてことをボソっと言ったりしたりして、まあ半分冗談なんだろうけど、、でも..うぅ..なんかつらいぞOT!
だけどやっと後半の後半あたりから、有名どころの派手めの曲が出てきて球場もどんどん盛り上がってきた。みんな楽しんでる。僕も心おきなく楽しい。観客全員と民生さんがひとつになってライブを思いきり楽しんでるって感じがする。スタートのときにそれがあって、それからしばらく間があいたけど、やっと僕らみんなが望んでいたであろうライブのカタチがあらわれた気がする。
民生さんはすごい。奥田民生だからこそ市民球場初ライブなんて歴史的偉業を実現できたのだ。それは間違いないと思う。そしてこんないろんなプレッシャーのなか、あくまでも自分のスタイルを貫き通せるのも、奥田民生だからこそ、だ。ビバ!OT!
振り返ってみると、みんなで風船とばしたり、アンコールのフィーバーしたり、冬ソナ主題歌うたう民生さんにやられたりと、「楽しいライブのおもいで」ってのがいろいろ出てくる。もちろん終わりがよかったから全てがよかったように思えるのだ。めちゃくちゃ、とは言えないけど、でもじゅうぶんに「ひとり股旅スペシャル@広島市民球場」を堪能できた。楽しかったよ、OT! サンキューOT!
..正直ぜいたくを言えば、もっと「民生大好き!」って人だけで集まったようなかっこうでライブを楽しみたかったなあ。歌える曲はみんなでいっしょに口ずさんだりしたかった。スロウで静かな愛すべき曲たちをもっとじっくりカラダに浴びたかった。そんな中で民生さんの偉業をもっとみんなで盛大に祝いたかった。..なんちて。
終始マイペースで、冗談をまじえながら、しっかり「ひとり股旅」で聴かせてくれる民生さんはやっぱすごいカッコよかったです。
というわけで、今日の感想でした。さて、民生さんの感想はどうなのかな..??
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