ハウルに動かされなかった心

こいつは可愛いかった

先日やっと『ハウルの動く城』を観た。感想は・・・うーん・・うーん・・・、なんで?、なぜ?、どうなんだ?、どうして??・・。 もう観ている途中から僕のなかは「?」だらけになった。つまりまあ僕としては面白くなかったわけだ。
ハウル役の木村拓哉の声は別に気にならなかった。普段テレビから聞こえる彼の声とはどこか違った感じがあったので、ハウルの声を聞いても木村拓哉の顔が思い浮かぶようなことはなかったし(それよりもハウルの美青年ぶりの方が彼と重なった)、声優としても素人くさい感じはなく、木村拓哉の才能ぶりにまたしても驚かされるほどだった。
それよりも気にかかったのは、(知ったふうな言い方をすれば)物語りとしてのテンポの悪さだ。前作「千と千尋〜」に比べて、あきらかに粗いというか、クオリティが低いように感じた。どこか、とびとびで抜けてるような、ストーリーが滑らかに流れていないような。。 ひょっとして脚本や監督が新人なのではと思って最後のスタッフスクロールを注意して見ていたが、両方とも宮崎駿だった。原作は海外の小説?のようだが、これは関係ないと思う。どうしてこんなふうになってしまったんだ? どうしてこんな作品を宮崎駿は作ったんだろう?
とまあ、ずいぶん酷評ぽくなってしまったが、宮崎駿さんにしても鈴木敏夫さんにしても、僕のような感想を持つ観客が少なからず出るだろうことは公開前から予め分かっているはずで、それでもあの形で上映したということは、そこにはちゃんとしたねらいだとか意図だとか、揺るぎのない気持ちがあるのだろう。それに僕が気付かなかった、もしくは触れることが出来なかっただけかもしれない。
もう1回、2回観てみるとまた違った感想を持つのかもしれないし、Yahooのレビューを見ていたらこんな意見 http://review.messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=movies2&action=m&sid=2077605574&tid=m240799&mid=3967 もあって確かに頷けるところもあるけれど、でも初めて観たときの自分の率直な感想というものは、いかなる理由を持ってしても誰にも否定は出来ない、のだ。
僕が共感した映画評はこれ http://www.elle.co.jp/premiere/review/04_1216/ です。

けっきょくのところ・・

アニメ映画大作ぞろいの2004年、といわれたが、こうして全ての箱を開けてみると(まあまだ「マインドゲーム」は観てないけど)、僕がまともに「面白い!」と思ったのは『イノセンス』だけだった。そのイノセンスにしても、当初予想(あるいは目標と)されていた観客動員数には届いていないと思うし、多くの人を巻き込んでの盛り上がりというところまではいってないように思う。ジャパニメーションと騒いでいるのは国外だけという話もあるが、宮崎駿さんもおじいちゃんになっていくし、押井さんが万人向けの作品を作るようになるとは到底思えないし、アニメ映画・アニメ業界の行く末にどこかますます不安を感じる2004年になってしまった。

↓こいつに期待しよう。

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