携帯電話のＯＳは統一されるか？(3)
携帯電話のＯＳについて、ネット（主に ITmediaモバイル のサイト http://www.itmedia.co.jp/mobile/ ）で調べてみると、やはり統一的な携帯電話ＯＳを普及させようという動きは2000年に入ったあたりから着々と進んでいるようだ。（僕が何も知らなかっただけかもしれませんが。）
米Qualcomm社の「BREW」（日本ではKDDIが採用）や、英Symbianの「Symbian OS」（ドコモが採用）などがあるそうだ。他にも携帯向けにカスタマイズした Linux や、iTRON などが携帯電話ＯＳとして使われているらしい。（詳しくは ITmediaモバイル のHPを見てみてください。。）
携帯電話メーカーの側でこうした共通的なＯＳを使う動きが進んでいる背景には、高画素カメラや音楽再生、テレビに財布まで取り込んでますます高機能化する携帯電話の新機種開発がものすごく大変になり、共通ＯＳを使うことでその労力を少しでも減らし効率を上げたいという事情があるようだ。
昨日（6月17日付）の日経新聞にはこんな記事が載っていた。
パナソニックモバイル 海外向け携帯強化
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携帯電話に搭載する通信用の半導体プロセッサーや基本ソフト（ＯＳ）などを全機種で共通にして開発効率を高め、多様な機種を出荷できるようにした。これまでは機種ごとに独自の設計をしていた。
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一メーカーの中でＯＳを共通化すると、メリットがたくさんあるように思える。しかし、自社でＯＳを開発・改良・検査しなければならないというデメリットもついてまわる。
冒頭に挙げた「Symbian OS」などは、ある会社がＯＳを開発し、それを「携帯電話メーカーの皆さん、みんなでこのＯＳを使いましょう」というものだ。メーカーにとってのメリットは、
- ＯＳの開発コストを省ける
- 開発効率を上げられる
- そのＯＳ上で動作するアプリケーションを共通して使える（ソフトの共有化）
- 同一ＯＳを採用する他メーカーの端末とのデータの互換性を高められる
などがあると思う。ソフト共有化とデータ互換性はユーザにとっても大きなメリットとなる。
さて、ここからやっと前回振った「共通ＯＳのデメリット」になるのだが、ITmediaモバイルのニュースを読んだ限りでは、メーカーを超えた携帯ＯＳの共通化は現時点では「その動きが広まってきた」＝まだスタート段階であるように僕には思える。
メーカーにとって共通ＯＳの採用は慎重にならざるをえないことだろう。しかし、開発コスト増大の問題、開発期間短縮そして競争力向上のために、そうもいってはいられなくなった、というのが実情ではないかと思う。
なぜメーカーが共通ＯＳの採用に慎重になるかといえば、そこには以下のようなデメリットがあるからだ。
- 共通ＯＳの開発元にＯＳ使用料を払わなければならない（利幅の減少）
- メーカー独自の機能追加や拡張が難しくなる（基本的にはその共通ＯＳの共通ルールに従わなければならないため）
- まだ業界標準的なＯＳがない以上、採用したＯＳとは別のＯＳが新技術等で優位性を高めた場合、自メーカーの携帯電話の競争力が落ちる可能性がある
では、僕らユーザにとってのＯＳ共通化のデメリットは何か。
- 携帯電話に各メーカーの独自性（オリジナルティ＆サービスの多様性）が少なくなるのはつまらない
- もしかしたらパソコンＯＳのようにシェアの高い携帯ＯＳを狙ったウィルス等が蔓延するかもしれない
- 共通ＯＳが広まるということは、ＯＳを開発する会社の数も減るということで、その分ＯＳ開発競争も緩くなり、ひいては携帯電話の進化もスピードダウンするかもしれない
とりあえずこれくらいしか思いつかなかったけど、最後の点についてふとパソコンＯＳに当てはめて考えたとき、もし Windows の優位性がこれほど高くなく、シェアも30%くらいだったとして、他のＯＳ（ Mac や Linux など）のシェアもそこそこあり、パソコンＯＳが乱立状態だったとしたら、もしかしたら2005年のパソコンＯＳはもうちょっと進化していたかもしれないな、と思った。まあ想像でしかないけど。
「物事にはかならず良い面と悪い面がある」と、今日スマステーション４に出てた竹中平蔵さんも言われてましたね。
ちょっと上に Windows の文句のようなことを書いたけど、けっこうマイクロソフトファンな僕は、近い将来ドコモなんかの携帯電話の画面でウィンドウズのマークがゆらゆら揺れているのを見てみたいような気はします。でもそれはちょっとこわいかなぁと思ってみたり。。 いま言えることは「携帯電話はまだまだ発展途上」ということででしょうか。可能性は無限大です。
次回の更新では、何でもかんでもいろんな機能を取り込んでしまう携帯電話のことについて書きたいと思います。
