アジャイルレトロスペクティブズ

タイトルや表紙や紹介文にどこかひかれる所があり、買って読んでみた。いま仕事で関わっているプロジェクトがうまく進んでいないから、というのもあったかもしれない。僕はアジャイルというスタイルでの開発を経験したことはないけれど、しかし最後まで興味深く読むことができた。
特に興味を持てた箇所は、「場を設定するアクティビティ」だ。例えば、1〜2時間程度のミーティングを始める際に、最初軽い雑談を交わしたりしてそれとなく場の雰囲気を作るということはあっても、ミーティングの進行予定(アジェンダ)の中に「場の設定」という項目をわざわざ盛り込んだものというのは僕はこれまで見たことがない。この本では、レトロスペクティブ(平たくいえば作業終了時のふりかえりミーティング)の構成の1番目に「場を設定する」というフェーズを置いている。

場を設定することで、参加者はこれから行う作業に意識を集中することができる。また、レトロスペクティブに集まったチームが目標を再確認することもできる。さらに、議論をするのに適した雰囲気を作り出す効果もある。 (p.5)

具体的には、「あなたがこのミーティングに望むことを一言で表してください」とリーダーが参加者一人ひとりに尋ねて回ったり、生産的な議論とそうでない議論の違いについて簡単に話し合ってもらったり、このミーティングの中でメンバーが守るべき約束事(例えば全員発言とか)を作成したり、といった進行あるいは活動(アクティビティ)が紹介されている。読んでいてなるほどたしかにこれは有効だなと頷けるものがあった。
また、チームにおける個々人の「感情」というものをうまく拾い上げて活かそうとするやり方や、カラーコードドット(色付き丸シール)を使って自分が良いと思ったアイデアに投票するアクティビティなども興味深かった。

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き

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