落花生

一週間ほど前に畑から掘り出した落花生を、乾燥・殻むぎを経て、母がやっと実を煎ってくれた。晩ご飯のとき、小皿に20粒くらいのったのを出してくれて、めでたく食することができた。
落花生の根は、思ったより浅くて、土を少しかきわけて引っぱると、根の先にあの小さいヒョウタンみたいなのが付いている。久々にその姿を見たのだけど、なぜ根の先にこんな物が出来上がるのか、なかなか不思議な感じがした。少し異様な感じがしないでもない。
もしかしたら、その異様さのせいで記憶に残っているのだろうか。小学校に入る前、たぶん4歳あたりだと思うのだが、晴れの日に母と畑で落花生を掘っている記憶が一枚の記念写真のように頭の中にある。その畑の場所も覚えている(今は無くなった柿の木の傍だ)。乾いた土や、白い根の映像が、わりとくっきり浮かんでくる。その記憶の中では、落花生はもっと土の深いところから掘り出していたように思うのだが。本当の記憶なのか、いくらか作りものの記憶なのか、よく分からないような気もする。しかし、4歳だか5歳だかのなんでもない日常の一コマを、今もって記憶として思い出すことができるというのは、不思議なことだ。
味のほうは、香ばしくて、特有の苦み・甘みともに濃くて、とても美味しかった。来年もまた畑に植えたい。