ストリートビュー

昔住んでいた町を、Google マップストリートビューで再び歩いてみると、なかなか面白い。そのころ見ていた風景やら記憶やらがリアルによみがえってくる。
ずっと昔、東京に住んでいて、東京都北区赤羽までの住所は覚えていた。で、Google マップを開いて、ストリートビューであちこちに降り立ってみるのだが、そこから先どの辺りに住んでいたのかまったく思い出せない。「このへんだったかなぁ」という所はあっても、「あぁ!ここ、ここ!」という所は見つけられない。まあ、20年近くも前のことなので、北区といえど東京の町だから、すっかり風景が様変わりしてしまったのかもしれない。
ストリートビューで、少し細目の道路に入って、ぐんぐんくねくねと前へ進んでいると、暇なときによくあてもなく町を散歩していたことを思い出す。若くて無謀で体力があったから、迷子になるのも構わずに、あちこち長い時間気の向くままに歩きまくっていた。自宅への帰り道がさっぱり分からなくなって途方に暮れたことが何度もあった。東京の町はそういう散歩がいくらでも出来るのが良かった。
田舎でも散歩はできるが、そのルートはかなり限られる。ここは今まで通ったことがない道、というのはまず有り得ない。20年前、あの長い長い散歩の中で、いったい何を考えながら歩いていたのだろう。