時季外れの若茎


今年の春に種子から苗を育てて定植したアスパラガスのうねの草取りをしていたら、一か所だけ、若茎が伸びているのを見つけた。まだ茎の色が緑で若々しいので、おそらく10月の終わりか11月初め頃の暖かい日が続いたときくらいに生えたものじゃないかと思う。
ここの圃場は、土づくりの準備にだいぶ手間取り、苗を定植したのは6月24日と、予定よりずいぶん遅れてしまった。なので、苗から成長した茎もあまり茂らず、高さも膝下くらいのものがほとんどだ。ここは昨年まで田んぼだったところで、昨秋から畑地化をすすめてきたのだが、土づくりやら排水の溝掘りなどにとても苦労し、当初は果たしてアスパラの苗がちゃんと根付くのだろうかと大変に心配だった。
それが、定植後に雨がよく降ったこともあって無事に苗が活着し、一か所だけとはいえ、しっかり若茎が(3本も)生えるようになったのだから、これを見つけたときはけっこう嬉しかった。こういうのを見ると、一体この土の下はどれだけ地下茎が成長し、根が伸びているんだろうと、掘り返してみたいような気になる。
野菜を育ててみると、数ミリの種子から小さな芽が出て、どんどん大きくなっていく様子に、単純に驚いてしまうときがある。とても神秘的でもあるし、とても不思議なことに感じられる。
さて、来春この畑でどれだけアスパラの若芽が生えてくるのか。それは、これからの冬から春にかけての作業に(半分は)かかっている。