アメリカン・スナイパー

iTunes で200円だったので観た。

最近観た映画の中では、見始めてから見終わるまでの「あっという間」感が文句なく1位だった。それだけ引き込まれて面白かったということではあるんだろうけど、実在した人物をもとにした戦争ものの作品のわりには、例えば「プライベート・ライアン」とか「ブラックホーク・ダウン」のような戦争のリアルさに引き込まれるという感じではなく、あえて言えばジェレミー・レナー出演の「ボーン・レガシー」のような、シリアスなアクション映画的な面白さに近いものを感じた。
主人公(クリス・カイル)の奥さんが、何度も戦地に戻らないで家族のもとにいてほしいと懇願するのだけど、クリスさんはどうしても戦地で戦うことがやめられず戦場に戻っていく。このときの彼の気持ちがじわじわと伝わってきて、その心情がよく理解できるような気がした。「国を守るためだ」とか「家族を守るためだ」とか奥さんに言い訳するが、本当の理由はもっと個人的な動機なんだろうと思う。戦わずには居られないような胸の中の熱いものが、本土の家族のもとでは抑えられないのだ。だからヒーローは家族なんて持つもんじゃないんだよ、なんて思ったりした。
そして、スタッフロールに入る前のシーンでクリス・カイルさんの生まれた年と没した年が写っているところで驚いた。1974年って、自分と同い年じゃないか。誕生日もかなり近い。なんというか、人生の重みがぜんぜん違うなぁと思って愕然とした。