1Q84

毎晩寝る前に数ページずつ読んでいた。これまで何回か途中で挫折し、その度にまた最初から読み直していたのだが、とうとう読み終わった。

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

と、ここにアマゾンの商品情報を挿入しようと、はまぞう(商品紹介ツール)で「1Q84」を検索するまで、この小説に BOOK 3 が存在することを今の今まで知らなかった。もしかしたら忘れていただけかもしれないけれど。
あの連絡が取れなくなった編集者はどうなったんだろうとか、いろんな事が中途半端に片付いていない感は強いなぁと思いつつも、てっきり BOOK 2 で完結したものとばかり思っていた。
もう次に読む本も購入済みだったのだが(これもまた村上春樹の別の小説)、これはまあ嬉しい誤算というやつだ。世の中、知らないこと、気づいていないこと、自分が勝手にこうだと思い込んでいること(あるいはすっかり忘れてしまったこと)がたくさんあるということを身をもって思い知らされた。
夜、布団に入って本を広げて昨日の続きの行から文字を追いはじめると、すっと自然に 1Q84 の世界に入っていける。彼の小説を読み馴れているせいもあるけれど、こういうのはさすが村上春樹さんだなぁと思ったりする。
そして、数ページ読んでから、枕元の時計を見てそろそろ寝ようかということにたいていはなるんだけど、ときどき時間を忘れてページをどんどん綴ってしまうこともある。
1Q84 BOOK 2」では、天吾くんが電車に乗って「猫の町」の小説を読んでお父さんに会いに行き、二人でうまく成立しない会話を交わすくだりが僕としてはいちばん面白かった。ここの章のどういうところに強く引き込まれたのか、それを説明することはまだ難しい。でも久しぶりに夢中になってページを綴っていた。それくらいにここのところは濃厚であり、なんだか痛々しくもあり、読んでいて息苦しいようでもあり、特別な空気が感じられたように思う。