独り

午後から畑に出た。まだアスパラの親株を刈っていない圃場があったので、そこの親株を刈り取って、畝に張っていた黒マルチを除去する作業をした。
今日は風が冷たくてけっこう寒かった。ここ最近の休日は暖かい部屋でまったり過ごしていたので、余計に寒さが身にこたえる。体もなまっていて、油の切れた農機具のように手足の動きもぎこちない。
冬の農作業はとくに孤独を感じる。まわりの田畑を見回しても誰の姿も見えないし、遠くから草刈り機の音が聞こえてくるということもない。蝶やトンボも飛んでいないし、蝉や鳥の鳴き声も聞こえないし、あれだけたくさんいたカエルもみんな土の中に潜ってしまった。
でも、この「たった一人」感はそんなに嫌いではない。目のまえの植物と、真摯に向き合う時間を与えられている気がする。それから、誰に見られているわけでもないのにせっせと働いて、自分がここまでやりたいと思ったところに作業が到達したときに得られる自己満足感はなかなかのものだ。
明日と明後日は出勤なので、おそらく今年最後の野良仕事だった。年が明けたら、いよいよバーナーを担いでごうごうと畝焼きをしないといけない。